私の履歴書&モチベーション 〜鬱から回復した経緯〜

ここでは忘却録として自分のこれまでの歩みを記録しておこうと思います。

正直な所、過去は思い出したくないですし、そのうち忘れてしまうかもしれませんので未来の自分が悩み、迷った時のために「何のために仕事をしているか」について今の想いを書き残しておこうと思います。

SEOも意識していなければ特に役に立つ情報でもありません。

完全に個人的な想いですし長文なので自分以外はこれ以上読まないことをオススメしますが、もしかしたら同じような悩みを持った方の助けになるかもとの思いも少しあって、誰も読まないかもしれませんが書き残しておきます。

トレーナーになった理由 〜自分勝手なトレーナー〜

私は雪国に生まれ、スキー一家ということもあって3歳くらいからスキーを始めます。

スキーをすることが当たり前で「将来はオリンピック選手になる!」と夢見ていた幼少期。しかし中学時代に大きな怪我をして以来、メンタルの弱さから結果を出すこともなく道半ばでスキー選手は諦めてしまいました。

大学では同好会のスキー部に入って娯楽レベルでスキーをすることに。
それまでは正直なところ半分義務的にスキーをしていたので、初めて心から「スキーが楽しい」と感じたのを覚えています(笑)。

目的があって大学に行った訳ではないので将来のことも漠然としか考えていませんでしたが、その時期に見たオリンピックの映像に感動して「人を感動させる仕事がしたい」と考えるようになります。
少なくともサラリーマンとしてスーツを着て仕事をする姿が全く想像できず、一般的な会社員になるのが嫌で就職活動はしませんでした。

そんなこともあり大学卒業後はスポーツ専門学校に自費で進みます。

でもそのままトレーナーになった訳ではなく、専門学校も半年くらい通って辞めてしまいました。辞めた理由としては、在校生の9割が18歳でほぼ遊びにきている雰囲気の所に、大卒で勉強しに来ている自分の居場所がないと感じたからです。

今となっては、まわりのことなんて一切気にせず、どんな環境であろうと自分の目標のためにやるべきことをやればいいと当たり前に考えられるのですが、若かった頃の自分はまわりの目を一番に気にして行動していました。結局そんなつまらない理由で大学時代にアルバイトで貯めて支払った専門学校の学費を全て無駄にしてしまいます。

その後はスポーツメーカー本社勤務や医療系の社団法人で合わせて5年ほど社会人として仕事をしてからスポーツ専門学校に入り直します。

社会人時代にNSCAのトレーナー資格を取得していたので、専門学校に通いながらパーソナルトレーナーとしての活動も始めます。

一番最初にトレーナーに興味を持ち始めた時は「人を感動させる仕事をしたい」と思ったのですが、実際にトレーナーとして活動し始めた時に考えていたことは「健康は全ての人に必要だから、絶対に食いっぱぐれることはない!」です。

これは絶対に成功できない人間の典型的な考え方ですね。

いわゆる「ベクトルが自分に向いている」のです。自己犠牲で他人に尽くすのも絶対に違うと思いますが、「誰かの悩みを解決する」が一番に来ないと誰からも必要とはされなくなります。

フリーランスのトレーナーとして活動していたのですが、メインの活動場所がフィットネスクラブだったのでトレーナーとして立っていれば特に集客せずともお客様は来てくれます。だから中途半端な覚悟で自己中なマインドのトレーナーでも運よく生きて来れたのだと思います。

トレーナーとしてのターニングポイント 〜全ては必然〜

フリーのトレーナーとして数年活動していた時に、友人伝いに「トレーナーを探している人がいるみたいだけどどう?」と声をかけてもらうことがありました。正直な所、どこで何の仕事をするかも全く分からない状態だったのですが即決で決めて面接に行きました。

その時期、トレーナーとしては鳴かず飛ばずで活動していて何か状況を変えないといけないと思っていましたし、「物事は全て必然で、全てに理由がある」と考えていたので、呼ばれたからには自分がやる必要があるに違いないと直感で思ったからです。

1時間くらい面接をして仕事をすることがほぼ決まっていたたかと思いますが、面接の一番最後に「で、何の仕事をするんですか?」と質問したのを覚えています(笑)

結局仕事内容はマッサージサロンを立ち上げるのでスタッフを探しているとのこと。チーフトレーナーとして勤めることが決まりました。

オリンピック選手も治療した超一流の技術を持ち、口コミだけで10年予約が取れない治療院を経営し続けている治療家のもとでの修行が始まります。

下積み時代 〜人間が生きるために必要なものとは〜

サロンで働くことが決まりましたが、パーソナルトレーナーとしての活動も引き続き行なっていたので稼働日数は週7日。ここから休みのない(休みは1年でお盆と正月合わせて10日前後の)生活が7年続くことになります。

その当時もう結婚もしていましたし、途中で2人子供も生まれたので完全なワンオペを妻に押し付けて家族を犠牲にした生活です。
休みのない生活は次男が2歳になる頃には終わったのですが、長男とは一緒に遊んだ記憶がほとんどありません。

パーソナルトレーナーやサロンスタッフなど対面で仕事をする人のやりがいとしては「直接お客様と向き合える」だと思いますが、結局は時間売りの仕事なので時間の自由はありません。

収入を増やすためには予約を受けなければいけませんし、予約を受ければ時間はなくなります。サロンでは最低限のスタッフで回していてシフト勤務だったのでそもそも時間の自由はありません。

「自分は誰の何のために仕事をしているのか、何のために生きているのか?」と常に考えていたことを覚えています。

時間の自由もなく、集客も上手くいかずに丸一日働いても収入が0円ということもありました。お店が回っていないと当然人間関係も悪くなり(人間関係が悪くなってお店が回らなくなることもありますが)精神的にも追い詰められていきます。

トレーナーとして体を鍛えていますし、体育会系の出身なので肉体的に辛いことにはいくらでも耐えられます。でもメンタルが崩れたらそんな体は何の意味もありません。

全てを犠牲にしてやっているのにそれに見合った収入を得られない自分は何て情けないんだと、とことん自分を責めて完全に鬱状態になりました。

「仕事を辞めれば?」

客観的に見れば誰もがそう思うでしょう。労働苦で自殺をした人の記事を見ても「自分だったらすぐ辞める」と多くの方は考えるかもしれません。

でも精神的に落ち込んでしまうとその正常な判断が出来なくなるのが怖いところなのです。

真面目な人ほどどんな理不尽な仕事だろうとも責任感を持つと思います。特にトレーナーやセラピストのような個人に予約が入る仕事はお客様の手前、個人的な理由で仕事を辞める訳にはいかなくなります。

「自分の代わりはいない、自分がやらなければ」

実はそう考えておかしくなるのではありません。何も考えられなくなるのです。

メンタルが崩れて自分の生き方などに疑問を持つと、自分の判断と行動との矛盾を正当化するために思考停止になるんじゃないかと想像しています。

「家族や自分を犠牲にしてまで仕事をするべきじゃない」
「でも自分を必要としてくれる人を裏切れないから仕事を辞められない」

この矛盾から一時的にでも身を守るために脳の機能が停止するのではないかと思います。

状況を変えるためには現状を分析して改善のための行動を取る必要がありますが、そのための「判断」と「行動」するための動力源がなくて何も出来なくなるのです。

今になって冷静に分析できたから悟ったことですが、人間の動力源は食事(カロリー)ではありません。

人間が正常に動くための動力源は「未来への希望」です。

休みが一日もなくても未来への希望がある時は少しも辛くなかったのですが、「このままこの生活を続けてゆくのだろうか」と絶望感を持った途端に一日も耐えられなくなりました。

絶望感に苛まれるとこのエネルギーが枯渇して動けなくなるのです。夜遅くに家に帰ったら寝るだけで朝はやっとのことで目を覚まし、日々のルーティーンをこなすのが精一杯。目の前のお客様に笑顔を作るために残されたエネルギー全てを使う感じです。現状を打開するためのアイディアを考える余裕なんてありませんし、行動を起こすパワーも出てきません。

脳と身体が機能停止して「正常な判断」も「新しい行動」も起こせなくなるのです。これが自殺を選択してしまうメカニズムではないかと個人的には考えています。

幸か不幸か、コロナによって環境を変えることができたので私は鬱状態から運よく回復することができました。また、トレーナーとしての生き方やその後の活動について、自分自身と深く向き合う時間を持つことができたことで救われました。

正直なところ、鬱から回復するためには環境を変えるしかないと思います。でも鬱の人が自分から環境を変えることは難しいでしょう。
もし身近な人が鬱状態であるならばぜひ手を差し伸べてあげてください。ただ寄り添って話を聞くだけです。アドバイスや現状分析は絶対にしてはいけません。同情したり気持ちを理解してあげる必要もありません。

否定も肯定もせずに自分を認めてくれる存在が近くにいれば精神的な支えとなり、そこから自分自身と向き合い、未来への希望を思い出すきっかけとなるでしょう。

私の場合は家族にも相談できず一人で悩み苦しんで闇に沈んでいきました。私が回復できたのはただただ運が良く環境が変わってくれたからです。

人は自分でしか変わることはできません。他人が出来ることは、ただ話を聞いてあげて本人が自分自身に気づくためのサポートだけです。

鬱になる前までの私は「生涯健康で自由に動ける人を増やす」を理念とするトレーナーでした。

身体の機能を正常にするためには絶対に「運動」が必要で「健康」であれば幸せになれると本気で考えていましたし、だからこそトレーナーとして運動指導をしていました。

「運動」をすることで「心」が元気になるのも事実です。でも「心」が正常じゃないと、とてもじゃないが「運動」するためのエネルギーは生まれてきません。

自分が鬱を経験することで「身体」よりも「心」の健康の方がよっぽど重要で、全ての人に必要だと感じるようになりました。

もちろん「運動」も絶対に必要です。身体の機能は身体を動かさないと維持できないですから。また、「心」が健康でも身体を動かすことができなければ不自由さから徐々に「心」も蝕まれていくでしょう。

「売れているトレーナーは何が違うんだろうか?」とよく考えていましたが、今なら売れるための条件がよく分かります。

売れているトレーナーはお客様の「心」へのアプローチが自然とできていて、お客様を元気にしている人です。

一流の技術や知識やトレーニング経験があるかどうかは関係ありません。「心」が元気にならないとトレーニングを続けることができませんし、一緒にいても楽しくないのでリピートしてもらうことも出来ません。

トレーナーの仕事とはトレーニング方法を教える事ではなく、お客様の「未来の希望」を掘り起こして実現するための方法を一緒に考える事だと思います。

私の現在の活動は「トレーナーの集客サポート」なのですが、それはトレーナーが「未来への希望」を失ってしまえばその何倍もの人が「心」を元気にするきっかけを失いかねないからです。

一人でも多くの方が「心の健康」を維持し、生涯楽しく過ごせるようにすることが私の活動する理由です。

集客の難しさ 〜専門家がハマる罠〜

どんな仕事をしようと一番問題になるのが「集客」でしょう。

いくら忙しくともお客様がいてくれさえいれば生きていけますが、お客様がいなければいなければ存在することも出来なくなります。

現在では毎日集客の仕組み作りについて考えていますが、以前は正直なところ集客について真剣には考えていませんでした。そもそも鬱になったのも集客がうまくいかなかったことが原因の一つではあります。

私はパーソナルトレーナーとしては運良く集客出来ていたものの、過去に2回マイクロジムとサロンでは集客が上手くいかずに失敗しました。

今から13年前。

フリーのパーソナルトレーナーとして活動し始めた1年目。私は知り合いのトレーナーがマイクロジムを開くとのことでスタッフの一人として参加しました。

結局1年でジムを締めることになったのですが、1年間で新規に集客できた人数はなんと0人。3人のトレーナーで始めたのですが、もともとそれぞれ個人に付いていたお客様がそのジムに来てくれていただけでした。

お客様が来ないので時間は有り余っています。高層マンションの一室で開業していたのですが、必死にチラシデザインなどを勉強をして全室に飛び込み営業もしました。

今となっては成功する要素が一つもなかったので失敗して当然ですが、月の収入が5万円前後という苦しい生活を1年続けました。

2度目は7年間勤めたマッサージサロンです。

ここでの経験で学んだことは、売るためには「売る技術や知識」が必要だということと、幸せに生きるためには自分の働き方について真剣に考える必要があるということです。

超一流の技術を学んでも集客出来ない…。

今となってはマーケティングを始め、あらゆる分野の勉強をしまくって客観的に分析できるようになりましたが、おそらくほとんどの個人経営ジムやサロンでも同じ間違いを犯していると思います。

それは「技術さえあれば売れる」と思っていることです。

苦労して専門知識や技術を極めれば極めるほど、独自のオリジナルメソッドにこだわればこだわるほど「売れなくなる」可能性があります。

なぜなら「ターゲットを絞ることができなくなる」からです。

マーケティングの本などを読めば必ず「ターゲットを絞りなさい」と書いてあります。おそらく誰もが必要性は分かっても、いざ自分が集客するとなると出来なくなるのです。

苦労して身につけた技術は一人でも多くの人に試したいですし、技術が上がれば上がるほど「全ての人に対応できる」ようになります。そうなると必然的に「ターゲットを絞ることで機会損失をしたくない」と考えるでしょう。

「理想の身体を目指しましょう」
「腰痛でお悩みの方」

これではターゲットを絞ったことにはならずにお客様は来てくれません。

もっといけないのが、

「最新メソッドを体験できます」
「独自の技術で身体を楽にします」

このように自分の強みを押し出すやり方です。

差別化しようと考えているのでしょうが、これは完全に「自分にベクトルが向いている」状態であり、自分が売りたいものを押し売りしているのです。

洋服屋に入っていきなり「この流行りの服はいかがですか」と勧められるのと一緒です。

流行りの服を探している人にとっては嬉しい情報なので買うかもしれませんが、人は自分のメリット以外に興味がないので「あなたの強みなんてどうでもいい」のです。

自分がお客の時は当たり前に感じることも、売る側になると売りたい気持ちが先走り自分の事しか考えられなくなるのです。

サロンが上手くいかなかった原因はいくつもあって集客だけの問題ではありませんが、集客に失敗した原因の一つが「ターゲットを絞れなかった」ことであるのは間違いありません。

「商品が良ければ絶対に売れる」

商品の質が高いことは最低条件なので、商品をより良くすることは常に考えなければいけません。ですが「商品がいいこと」と「売れる」ことは違います。

「お客様が必要だと感じるから売れる」のです。

少なくとも私の勤めていたマッサージサロンの技術は独自の技術で、あらゆる人の問題を解決しうる優れた技術であることは間違いありませんし、技術だけなら業界で頭ひとつ抜け出していたでしょう。それでも売り方を知らなければ売れないのです。

おそらく「ターゲットを絞る」という考えは言葉では誰でも理解できると思いますが、腑に落とすためには実際に圧倒的に失敗を経験するしかないと思います。なのでこれ以上の説明はやめておきますが、悩んでいる方が何かを感じ取っていただければ幸いです。

これらの経験を通して、いくら最高の知識や技術を身につけても売れなければ価値は0円で誰も救えないと心から感じ、集客について真剣に考えるようになりました。

また、サロン時代にはポスティングも2000件くらいしましたし、店舗前でクーポン券を配ったりもしました。

ポスティングもビラ配りも集客方法の一つかもしれませんが、結局は誰も得しないんです。やる方も嫌だしやられる方も嫌なんです。

そんな集客方法しか知らずに疲弊していた経験から、誰もが幸せになれる集客の仕組みを作りたいと考えたのがWebデザイン、マーケティング、ライティングなどを勉強し始めたきっかけでもあります。

また、集客の仕組み作りについて考え始めたきっかけのもう一つが、トレーナーとしての働き方について真剣に考え直したことです。

トレーナーとして直接お客様と接することは楽しいしやりがいはあるのですが、対面セッションが増えるとどうしても時間の自由を作るのが難しくなります。自分の目指す理想の生活を考えた時に「収入」ももちろん必要ですが、それ以上に「自由に使える時間」も必要だと分かりました。そのためには働き方を変える必要があります。

理念についても考え直してみたのですが、「生涯楽しく生きる人を増やす」ことに変わりはないのですが、自分で直接指導する必要はないことに気づきました。

以上を踏まえて「今までの経験を活かして集客の仕組み作りをしたい」、「実働時間を減らして収入を増やしたい」この二つを実現するために自分が表に立って指導するのではなく、裏方でWeb集客のサポートをしようと働き方のシフトチェンジをすることにしたのです。

終わりに 〜自分の存在理由〜

絶対に成功する方法はありません。

だから絶対に集客できる方法もありませんが、誰も嫌な思いをせず、必要な人に必要な情報を届けられる仕組み作りを目指して日々勉強し続けています。

集客できるトレーナーを増やせば、そのトレーナーによって多くの人が救われます。

目の前の一人の後ろに大勢の人の幸せがあると信じていますし、私と同じ苦しみを経験する人がいなくなるようにするのが私の役目だと考えています。

それが私が「トレーナーの集客をサポート」している理由です。

一人でも多くの方が「自分を知り」、身体を動かすことで「生涯楽しく自由に生きられる」ようになることを願って。

この記事を書いた人

マラソン

山本洋介

パーソナルトレーナー歴15年の経験と失敗を活かして、パーソナルジム・スタジオ集客のためのWeb制作を行なっています。
人が集まるパーソナルジムが増えれば、笑顔で自由なライフスタイルを実現できる人が増えることを信じて全力でサポートしています。